【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》台風と地球温暖化

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通過した地域だけでなく、はるか離れた遠隔地でも線状降水帯の大雨を降らし、全国各地に大きな被害をもたらした台風10号。ゆっくりとした動きは、暴風雨の時間帯を長引かせ、自然災害の脅威をあらためて思い知らされた。被災された地域の方々の心に寄り添い、一日も早い復興に向け、支援をしていきたい▼自然災害の中でも、台風は地震などと比べ、予測がしやすいものだと思ってきた。気象庁が発表する進路の予報円を見れば、台風がいつ最接近するのか予測ができ、災害の備えや、仕事、旅行の日程調整ができた。だが、今回の台風の予報円は、これまで見てきた台風のものとは違っていた▼台風10号が発生したのは8月22日。当初は太平洋を北上し、東海、近畿地方に進むものとみられていた。テレビの天気予報を見て、九州への直撃はないだろうと思っていたのだが、予報円は発表されるたびに西へと位置を変えていった。最新の技術を駆使しても、進路の予測は困難だった。それを表していたのが予報円の範囲の大きさだ。九州上陸前の予報円では、北寄りのルートを通った場合、玄界灘を通過することも予想されるほどだった▼台風10号の特徴は、ゆっくりとした速さと迷走に加え、海上を進むうちに大きく発達していったことだ。奄美大島付近にあったとき、この台風の中心気圧は1日で、980hPa(ヘクトパスカル)から935hPaと、最強に近いクラスの勢力となった▼西日本新聞の同30日付け朝刊は、この急発達について、専門家の見解を紹介している。台風が通過した海域の海水温が平年より高く、エネルギー源である水蒸気が大量に供給されたというのだ。これまでとは違った様相で大きな被害をもたらす台風。地球温暖化と共に、向き合わなければならない重大な課題だ。

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