【糸島市】“九大生が聞く!!ビジネス最前線 in糸島” 多様な人材を集める職場

スチームシップ㊦ 社長 藤山雷太さん(42)

 このコーナーは、九州大学のインターン生が糸島エリアで活動している企業や団体を取り上げ、その魅力を紹介します。共創学部3年の加藤千穂が前回に引き続き、糸島市など全国の自治体から、ふるさと納税の業務委託を受ける「スチームシップ」(本社・長崎県波佐見町)の社長、藤山雷太さん(42)に若者が生き生きできる職場づくりなどについておうかがいしました。

社員の中に座る藤山社長

-設立から8年で約400人の従業員を雇用する企業に成長されていますが、ふるさと納税業務の受託はどういったきっかけで始められたのでしょうか。

 「私はずっと『若者が地域で生き生きと働ける場をつくりたい』と思っていました。ふるさと納税業務の受託は、地域に密着して宝を見つけ出し、こだわりの逸品を多くの人に届ける仕事。そして地域の人たちがふるさとに誇りを持っていただけるようにする仕事です。若者たちが地域づくりに関われる場になると考えました」

-コアマインドとして掲げている「財を遺(のこ)すは下、事業を遺すは中、人を遺すは上なり。」について詳しく教えてください。

「江戸時代の大阪の商人が、火事が起こった際にまず持ち出すのは顧客名簿だったそうです。お金は失われたとしても顧客のリストがあれば、またお客さまと縁をつないで商売ができます。また、顧客と同様、『人を遺す』という意味では、次世代を担う人材を地域に残していくことはとても大切だと思います。地域で活躍できる仕組みを整え、持続することが重要だと考えています」

-「家族が1番・仕事は2番」など社風を「カルチャー」と表現して実行されていますね。

 「仕事を頑張れるのは家族の支えがあってこそです。家族を大切にできるよう、休みを取りやすいようにしています。他にも資産運用などのカルチャーがあります。私自身の考えを社員と共有しています」

-スチームシップでは、さまざまな経験値のある方たちが集まり、一つのチームとして動いているそうですね。受託した自治体のふるさと納税寄附額が目覚ましく伸びているのは、こうした豊かな人材が集まることによる成果でしょうか。

 「アナウンサーやホテルスタッフ、エンジニアなどさまざまな職種を経験した社員が働いてくれています。それぞれの個性を活かして研修などを行っていますが、多様な社員だけではなく、自治体、事業者の方々ともONE TEAM(ワンチーム)になり、地域のブランディングを行なっています」

-会社の理念に「地域から、未来を変えていく。」とあります。どのような会社を目指すのか教えてください。

 「地域だからこそ、できることがある。若者たちが目を輝かせながら生き生きと働ける場を一つでも多くつくっていきたいと考えています。そのために、今後も全国に拠点を増やしていきます」

糸島支店の一階スペース

 取材を終えて

 ふるさと納税を手段として地域に若者の働ける場をつくっている、非常に推進力のある企業の最前線を知りました。地域から社会を変えていくためには、魅力的な職場環境づくりが必要なことも伝わってきました。

糸島新聞社ホームページに地域情報満載)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

1917(大正6)年の創刊以来、郷土の皆様とともに歩み続ける地域に密着したニュースを発信しています。

目次