ナスのプランター栽培
先月、久しぶりにJA糸島アグリ店に園芸用品を調達に行きました。すると、JAの職員時代に、園芸相談などでよくお世話になっていた男性の方から「古藤さん、頑張りようね~。糸島新聞の連載は、ためになって全部ファイルしとるよ」と、大変うれしい言葉をいただきました。
しかし「なんかね~この頃、内容が難しくなったばい」とのご意見いただきました。いやぁ、ありがたいお話です。いろんな角度から園芸情報を発信したいとの思いから、ついつい内容が難しくなったようです。ここは貴重なご意見として、対応したいと思います。
そこで、今回はナスのプランター栽培のポイントをご紹介しますね。会社で仕事をしながら、畑などで野菜栽培をしていくのは時間的にとても難しく、私は身近な場所で管理できるプランター栽培をしています。皆さんと一緒で、4月下旬から5月上旬に苗を定植、ちょうど1カ月前後が経過し、皆さんのナスはどのような生育をしていますか?ここで、この時期の栽培のポイントを押さえておきましょう。


▽一番果と二番果
ナスは、開花からおおむね20日前後に収穫が可能となります。ただ、大長系はもう少し収穫までの時間が必要です。
ここで重要なのが一番果、二番果までは、早期収穫に心がけてください。そうすることで、収穫初期からの株の疲労を抑えることができ、三番果以降の成長を促すことができます。
三番果以降は、それぞれの実の成長具合を見極め、中長ナスなら10~12センチ、大長ナスは25~30センチを収穫の目安にしてください。
この一番果、二番果の早期収穫は、ナスの収量や収穫期間の長さなどに影響しますので重要と言えます。ちなみに品種で差異はありますが、家庭菜園の場合、ナス1株でおおむね30本の収穫が可能といわれており、プロの生産者は、100本以上は余裕で収穫されています。
▽初期生育段階での壁
まだ、葉が柔らかい段階である初期生育のナスの葉に厄介な害虫が襲ってきます。葉を網目状に激しく食害する「テントウムシダマシ=ニジュウヤホシテントウ」。葉の裏に潜む幼虫、葉の上の成虫ともに食害スピードが速く、バレイショやホウズキなどのナス科野菜を好んで葉を食害します。動きが緩慢なので、手で捕殺できます。または所定の薬剤にて対処してください。


次にハダニ類。主に「ナミハダニ」と「カンザワハダニ」です。ハダニは足が8本あることから、クモの仲間に分類されています。クモの巣状の網をかける習性があり、非常に小さく、体長は0.5ミリ前後で、肉眼で識別することは困難です。
ハダニ類は、1回の産卵数が100~150個と非常に多く、短期間(約10日間)で世代交代をして繁殖を繰り返しており、被害の初期症状は葉に白い斑点状の吸汁痕(かすり状)が現れます。被害が進むと緑色を失い褐色し、早期に落葉してしまいます。
対処としては、好天の時、高めの水圧で葉の裏を勢いよく水でたたきながら散水、または所定の薬剤散布で対応してください。
これからも、皆さんと同じ目線から、栽培に関しての課題解決に取り組んでいきますので、ご相談やご意見、どしどしお寄せいただくとありがたいですね。
(シンジェンタジャパン・アグロエコシステムテクニカルマネジャー 古藤俊二)
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