昨夏火災の加布里コミセン
糸島市は、昨年7月に火災で被災した加布里コミュニティセンターについて、既存の建物を再利用して大規模改修を行う方針を固めた。市が実施した火害調査の結果、建物の骨組みとコンクリートは補修と補強によって再使用が可能であるという技術的な診断が出た。

火元周辺を含む17カ所で円筒状の試験用サンプルを51本抜き出し、コンクリートの圧縮強度を測るほか、火災の熱がコンクリート内部の何センチまで浸透し、アルカリ性が失われる「中性化」が進んでいるかを分析。詳細な診断を実施した。
結果、火元となった小会議室や事務室、倉庫の天井部分は、受熱温度が300度を超えたと推測されるものの、構造に致命的な影響を与える500度には達しておらず、内部の鉄筋への影響も確認されなかった。コンクリート強度も設計基準強度を上回っていた。
また、中性化も火害によるものではなく、経年劣化によるもので、建築部材への火害等級判定の結果も合わせ、専門家からは建物全体について「補修・補強による再使用が可能である」とする診断が下された。
設備面では、2階の電気や空調設備、給水管や排水管といった衛生設備が全損したほか、3階についても、火元近くの集中制御盤の焼失によりシステム的な再使用は困難な可能性が高いと判断された。市は改修工事に合わせ、当初2028年度に予定していた大規模改修を前倒しして実施。バリアフリー化や長寿命化工事を一括して行うことで、コストの抑制と工期の短縮を図る。
総事業費は4億3,131万5,000円を見込む。市議会の議決が得られれば、27年度下期にはエレベーターなどの一部設備を除いて供用を開始、改修工事完了は27年度末を予定する。
現在、事務局は近隣の犬石東公民館に仮事務所を置いて業務を継続している。市は「地域コミュニティーの拠点施設であり、一日でも早い復旧に努める」としている。
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