【糸島市】サーカスと道化師を描き続けた画家

妻が画集・エッセイ集刊行

糸島生まれ 故 岡部文明さん

 高校時代のラグビーによる事故で手足が不自由になりながら、サーカスと道化師の絵を描き、6年前に病気で急逝した糸島生まれの画家、岡部文明さん。喜びと楽しみを与える道化師の精神を描いた作品の画集と、妻の範子さん(70)のエッセイ集の2冊からなる「メリーゴーラウンド」(パルプ舎)が範子さんの手によって刊行された。これを記念して福岡市中央区警固3丁目の山本文房堂画廊で17日まで、岡部さんの作品展「岡部文明のサーカスの世界」が催されている。

アトリエの二人(1977年)

 岡部さんの両親は糸島出身で、岡部さんは父親の郷里の旧前原町大門で生まれ、4歳のとき、糸島から福岡市に移り住んだ。福岡工業高時代の1965年、出場した国体での練習中に頸椎(けいつい)を損傷し両手両足の自由を失った。画家を目指したのは、来日したラグビーのニュージーランド学生代表のお見舞いがきっかけ。激励を受けて奮起し、興味のあった絵の道を志し、車椅子に座り、輪ゴムで手に絵筆を縛り付けて作品を描いた。

 画家として歩んだ50年の間には、悲痛な道化師を描いた時代もある。岡部さんは、イラク戦争やチェルノブイリ原発事故に心を痛めていた。その後、国境を超え、人々が共存する博愛精神を伝えようと、人々を幸せな気持ちにさせる道化師像を追い求めるようになった。

 範子さんは、平和を願い続けた岡部さんの遺志を受け継ぎ、東京や埼玉県などで岡部さんの作品展を開催。こうした活動とともに、岡部さんが尊敬していた画家の「文明さんをもっと知りたい」との強い願いを受け、5年半がかりで画集とエッセイ集を完成させた。

刊行されたメリーゴーラウンド

 画集は、岡部さんの作品と、岡部さんのあふれるサーカスへの思いなどをつづった文章、エッセイ集は、世界中のサーカスを訪ね歩いた二人旅などがまとめられ、二人でよくドライブに出かけた糸島の思い出も記されている。2冊の表紙には、いずれも「もうひとつの楽園(架空漫歩)」というタイトルの岡部さんの作品をあしらっている。2冊をひとつの函(はこ)に入れ、定価4,400円(税込み)。

展示されている「もうひとつの楽園(飄然遊歩)」

 範子さんは「自分にも他人にも『誠実』であるとともに、温もりのある『ユーモア』のあることが、人間にとって一番大切だと、夫は思い続けていました。ぜひ、この思いを感じ取ってみてください」と話していた。

岡部さんの作品展
「岡部文明のサーカスの世界」

作品展には、表紙に使われた作品など約30点を展示。
場所:山本文房堂画廊 (福岡市中央区警固3丁目)
期間:~5月17日まで
時間:午前11時~午後6時(最終日は午後5時)
※入場無料

糸島新聞社ホームページに地域情報満載)

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この記事を書いた人

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