【糸島市】居住支援での活用 模索 ーへいせいー

高齢者、困窮者向けの「資源」に

 空き家は、移住者向けの売買や賃貸だけでなく、高齢者や低所得者など、民間賃貸住宅への入居が難しい人を支える「社会資源」としての活用も注目されている。

 糸島市のへいせいは、空き家の増加と住宅確保が難しい人の増加という二つの地域課題に着目し、空き家を増やさない活動を目的とする一般社団法人「糸島市空き家予防推進協議会(吉田亜希子代表理事)」と連携。2024年には市内初の「居住支援法人」の認定を受けた。福祉機関や行政から相談を受け、自社で再生した空き家などを活用し、高齢者や生活困窮者らの住まい探しを支援するほか、大家が住宅を提供しやすい環境づくりや、相談から入居後まで切れ目のない支援体制の構築にも取り組んでいる。

 毎月2~3件の相談が寄せられる中、住まいを必要とする人と空き家を結び付ける取り組みを続けている。ただ、相談者の多くは高齢者や生活困窮者など、病院や公共交通、買い物施設への利便性が欠かせない。一方、活用できる空き家は郊外に多く、希望条件との調整に時間を要するケースも少なくないという。

相談を受ける居住支援責任者の長尾基生さん

 そうした中、空き家と住まいを必要とする人を結び付けた事例も生まれている。

 同市志摩では、同協議会に経済的な事情から賃貸住宅を探している人の相談が寄せられていた。一方、別の不動産会社には、施設への入所を控えた高齢者から、速やかに自宅を売却したいとの相談があった。同協議会が双方をつないだことで、不動産会社が住宅を買い取り、そのまま賃貸住宅として活用。高齢者は安心して施設へ入所し、住まいを必要としていた人も新たな生活を始めることができたという。

 空き家問題と住宅確保の困難という、一見別々に見える地域課題。空き家を「余った住宅」ではなく「暮らしを支える資源」として生かすことで、その双方の解決につながる可能性が広がっている。

空き家の様子(へいせい提供)

糸島新聞社ホームページに地域情報満載)

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