【糸島市】多久川の環境保全に取り組み21年

南風校区の守る会

 糸島市南風台の南風小南側を流れる多久川の環境保全に取り組む「南風校区多久川の自然環境を守る会」(柴田貞良会長、17人)は、豊かな自然環境を次世代に引き継ぎたいと活動を続け、今年で21年目になる。

 同会は2004年に発足。多久川に生息する二ホンメダカに「たくちゃんメダカ」の愛称をつけたり、ホタルを呼び戻そうと川岸の草刈りやごみ拾い、目視による水質の監視や環境の日に合わせて柴田会長と柴田卓副会長が水の汚れの目安となる生物化学的酸素要求量(BOD)を調べたりしているほか、年1回、同校区住民も参加して大掛かりな清掃活動を行っている。

3月2日に行われた多久川の一斉清掃

 地道な活動の甲斐あって、17年には川の中で、海から遡上(そじょう)してきたと思われる体長10センチほどの若アユが見つかった。柴田会長は「生活排水などの流れ込みが少なくなって川の水質が改善し、川底の石にえさとなるコケが生えたことや水量が増えたことなど、アユが生息できる条件が整ったため」と分析し、「アユの遡上は究極の目標で、夢がかなった」と喜んだ。

 同会は、多久川右岸に陽光桜とソメイヨシノを計約50本植え、手塩にかけて世話しており、桜の時期には川岸にある同会の倉庫「みなくるBASE」の対面式長テーブルを花見客に開放したり、川土手に「みなくる健康散策道路」と愛称をつけたりと、「南風の人たちに、多久川に親しみを感じてほしい」との思いを持って活動を続けている。

 今年も3月2日には、17回目となる「多久川一斉清掃」を実施。同会メンバーや前原中、前原西中の生徒のほか、一般のボランティアなど約40人が参加。新多久橋から荻浦橋までの約1.2キロを1時間半ほどかけ、川岸だけでなく川の中に入って丁寧にごみを拾った。

 活動の結果、散乱ごみ指定袋40個分のほか、自転車やプラスチック製のトタン板などが集まった。柴田会長は「川は海の入り口であり、海洋プラスチック問題を地元の川から考え、豊かな生態系を守るためにも多久川にごみを捨てないように気をつけてほしい」と語った。

絵解き 3月2日に行われた多久川の一斉清掃

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