原発事故想定し訓練

ドローンで情報収集も   —県、糸島市

 九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)で重大事故が発生した場合に備え、「県原子力防災訓練」が14日、関係119機関の約1,500人(うち住民約1,000人)が参加し、行われた。情報の伝達や収集▽一定時間内に空気中を通過する放射線量を測定する緊急時モニタリング▽志摩岐志浜行政区と二丈深江の南町行政区の住民約50人が参加した広域避難-などを実施した。


 「原子力災害対策特別措置法」などでは原発災害時、原発から半径30キロのUPZ(緊急防護措置区域)圏内に含まれる糸島市の一部(約6千世帯1万5千人)の住民は屋内退避後、状況により国の指示でUPZ圏外へ避難することになっている。


 訓練は、佐賀県内で発生した地震によって運転中だった玄海原発4号機の原子炉を冷却するための給水・注水機能を喪失して外部に放射性物質が放出され、UPZ圏内で高い放射線が確認されたと想定。


 陸上自衛隊のヘリコプターを使った訓練では、地震などでけがをしたとの想定で、住民1人を姫島小中学校グラウンドから福岡市西区の小戸公園へ緊急搬送。地震により道路が寸断されて孤立した野辺福ノ浦行政区の住民役2人を、福ノ浦漁港から漁船に乗せて岐志漁港に運ぶ訓練も初めて行われた。


 また陸上自衛隊のドローン(無人機)を使い、寸断された道路の被災状況を空から確認し、情報を収集=写真。視察した服部誠太郎知事と月形祐二市長は、「最大何メートルまで上がれますか」などと質問し、担当者の説明に耳を傾けていた。


 訓練後、服部知事は「今回の内容をさらに検証して、次の訓練に生かしたい」、月形市長は「自主防災組織における避難訓練を通し、リーダー育成にも力を入れ、実効性を高めていきたい」と、気を引き締めた。

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