糸島高生 韓国の高校と共同研究

翻訳アプリ使いラインで交流

2024・2・23  ニュース・糸島高共同研究 26日アップ

 糸島高校(荒木礼子校長)の2年生14人が約1年にわたり、韓国・ソジョン高とオンラインで共同研究に取り組んだ。自動翻訳アプリを使ったラインでのやりとりや、ズームでの研修などを通して研究は進められ、参加した生徒たちは「海外の人の意見が直接聞けて、考えを広く持てるようになった」「国際的な仕事がしたいという思いが強まった」と交流の成果を実感している。

 糸島高は昨年度から、文部科学省の研究指定校としてICT(情報通信技術)を活用した創造的教育方法実践プログラム」に取り組んでおり、共同研究はその事業の一つ。同校の総合的な探求の時間に実施している「糸高志学」の授業で、国際オンライン共同研究を希望した生徒が参加した。

昨年11月、韓国とオンラインで結び研修を受けた糸島高生ら

 昨年5月からズームを使いビデオ通話でオンライン研修会を開き、同7月には糸島高の生徒らがソジョン高に行き、初めて対面。日韓の生徒で興味のある分野ごと9グループに分かれ、研究方針などを決めた。

 帰国後は、自動翻訳アプリを使い定期的にラインでやりとり。世界の貧困問題を研究テーマにした山本倖己(ゆきな)さん(17)は、日本と韓国がアフリカに対して行っている政府開発援助について、ソジョン高生と手分けしてデータを集めた。意見を交わし合う中で「日本に住む自分では思いつかない考えを教えてくれることがあり、自分の視野や考え方が広がった」と語る。

 今年1月、合同発表会のためソジョン高生が来日した時には、数カ月にわたるやりとりですっかり仲が深まり、泣いて別れを惜しむ子も。凱令(がいれい)ユビサさん(17)は「韓国の子たちは私たちより、ストレートに感情を表現してくれる。研究がひと段落ついた今も“また会いたいね”“韓国に来てね”と毎日のように連絡が来ます」と笑顔で話す。

 研修を担当した佐々木修一郎教諭は「翻訳アプリを使ったやりとりはどうしても文面に食い違いが出たり、ラインを見てもらえる時間がずれたりして、タイムロスにつながることもあった」としつつも、「共同研究をやりとげたことで、生徒たちは大きな達成感を感じているようだ」と話す。

 山本さんと凱令さんは、今回のプログラムに参加できて「本当に良かった」と口をそろえる。将来は「グローバル経済を学びたい」「世界を舞台に海外の人と仕事ができたら」と目標を見据え、目を輝かせていた。

1月にソジョン高生が糸島高を訪れ、夏以来の再会にみな笑顔を見せた
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