「暮らすように泊まる」
福岡市西区西浦に1日、全室から玄界灘の眺めが楽しめるホテル「seven x seven(セブンバイセブン)糸島」(全47室)がオープンした。糸島市との市境に位置し、景勝二見ケ浦を望む立地。美しい海岸線と自然景観で観光客に人気のエリアに初のホテル開業となる。当面は一部の客室のみ営業、4月26日頃に全面オープンする。
4階建てのWEST棟とEAST棟に分かれ、延べ床面積は約3,700平方メートル。ルーフトップテラス(屋上)や専用ジャグジー、畳のある和室タイプなど多様なニーズにこたえる11タイプの部屋を備える。客室タイプによっては最大8人まで利用でき、各部屋にはキッチンと簡単な調理道具、電子レンジ、洗濯機もあり「フロント機能が充実した暮らすように泊まるコンドミニアムに近い」(同ホテル)。
福岡市では、市街化調整区域の活性化を図るための地域を指定。地域産業の振興に寄与する建築について、地域住民の合意が得られた上で、土地利用の規制を緩和している。同制度を利用し、不動産コンサルティングなどを手がける霞ヶ関キャピタル(東京都千代田区)と事業用不動産を取り扱う立地ライズ(福岡市博多区)などで共同開発した。
周辺は、福岡市の東と西の海辺の魅力をさらに高める同市のプロジェクト「福岡イースト&ウエストコースト」の一環で、歩道を明るい石畳調にし、電柱を地中に埋設。歩きながら景観を楽しめ、夕日に電線がかからないなどさらに素晴らしい景観となったとして好評を得ている。
1日行われた開業セレモニーでは、開発を担当した霞ヶ関キャピタル取締役の緒方秀和さんが「ホテル内完結ではなく、糸島エリアを楽しんでもらえる新しい宿泊スタイルを提供する。今後も地域と連携し、ホテルを成長させていきたい」とあいさつ。地元の北崎校区自治協議会の髙橋吉文会長は「2020年に立地ライズから地元に計画の打診があってから、共に企業や行政とのやり取りを重ねてきた。地域の活性化につながるよう、豊かな自然を生かしてホテルが発展することを願う」と述べた。