【糸島市】糸島市に新たな住宅型ホスピス

 糸島市伊都の杜に、病院でも自宅でもない新しい終末期の住まい「ホスピス住宅ビーズの家 伊都の杜」が3月1日に開設される。これに先立ち、21日から23日までの3日間、医療・介護関係者や地域住民を対象にした内覧会が行われた。

 同施設は、末期がんや神経難病などで病院や自宅での生活が難しい人が、人生の最終段階まで、安心して自分らしく過ごせる住宅型有料老人ホームとして注目される。街並みに溶け込むデザインの2階建ての建物には、個室30室(各13平方メートル・トイレ付)を供え、訪問看護・訪問介護ステーションを併設する。

共用スペースの一画にある共用キッチンを紹介する山﨑さん

 施設内は、木目調の温かみのあるデザインで、木製家具や観葉植物が配置されるなど、病院とは異なる家庭的な雰囲気。オープンキッチンを備えた厨房からは、料理の香りが広がり、入居者が「家のように過ごせる」ようさまざまな工夫がされている。

 施設では、看護師・介護士各15人が24時間体制で入居者をサポートする。運営を手掛ける「beads(ビーズ)代表取締役の山﨑大輔さん(42)は、「介護・看護スタッフの負担軽減も重要」と語る。「ノーリフティングケア」を導入し、介護リフトやスリングシートを活用することで、スタッフの身体的負担を軽減しながら、安全で安心な入浴介助などを実現している。また、最新の医療機器を導入し、利用者の体調変化を迅速に察知。症状に応じた適切な機器の導入も可能とし、医療との連携を強化している。

 さらに、施設は「地域とのつながり」を重視しており、施主である地元の土地所有者の「新興住宅地の憩いの場になってほしい」という思いを受け、施設内に独立したカフェスペースを併設。オープンテラスや小上がりも設けられ、子連れの家族など幅広い世代が気軽に利用できる空間で、「多様な飲食店で経験を積んだシェフが、管理栄養士監修のもとランチを提供する」ユニークなカフェとなっている。山﨑さんは「介護は地域全体で支えるもの。だからこそ、この施設も地域に開かれた場所でありたい。多様な目的で地域の交流の場として活用してほしい」と力を込める。

ある日のランチ。あたたかみのある器で提供する
スタッフ集合写真

beads(ビーズ) 
問い合わせ 092(332)1570

糸島新聞社ホームページに地域情報満載)

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この記事を書いた人

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