【声の野鳥だより】10

赤い額板の水辺の鳥/バン

ツル目クイナ科で、体長は32・5センチ。全身はほぼ黒く、真っ赤なくちばしが額に続いています=写真①。この部分を「額板」と言います。

写真①


 漢字では「鷭」と書きます。かつて水が入った田にバンが多くすんでいたことから、田を守って番をする鳥としてこの呼び名と漢字が生まれたといわれます。


 全国の水辺に生息しますが、冬期は日本の南部に多くいます。糸島でも山間部の農業用のため池から、海に面した堤防沿いのクリークや河口でよく姿を見ます。泳ぐこともできますが、長い指には水かきやヒレのようなものはありません。この長い指の足を使って浮き草を踏んで歩いて餌を探します。


 餌は水草や岸辺の植物の種子、水棲昆虫、小魚、エビやカニ、小さな貝類などで幅広い動植物を食べています。あまり鳴きませんが警戒の声として「クルルッ」と高く鋭い声を出します。可愛いのはバンの生後間もないヒナ=写真②=で、卵からかえってしばらくは黒い羽毛が生えていますが、なぜか頭頂部だけ、はげているように見えます。

写真②


 普通ひと夏に2回子育てをしますが、2回目の時に、1回目の繁殖で育ったお兄ちゃん、お姉ちゃんが親の育児を手伝う習性があり、これをヘルパーと呼んでいます。ヘルパーをする頃の幼鳥は体色が茶色=写真③=だという点も不思議です。

写真③

バンの鳴き声


 (野鳥録音家・田中良介)

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